現場から見たプログラミング教育〜最終秘密兵器はこれだ〜MESHは使いやすい!
百花騒乱といったプログラミング教育の教材ですが、2020年現段階で、現場目線で見て、一番使いやすい教材を、今回は発表します。
それは。。。。
MESH(ソニー) + プログラミングスイッチ(内田洋行)
です。
これは現在のところ、最強の組み合わせかな、と感じています。
何がいいって、
簡単なところ。
です。
わかりやすい、
と言い換えてもいいです。
それは、子供たちにとっても、そして教師側にとっても、という意味です。
とてもわかりやすく、かつ、扱いやすい教材です。
このソニーのMESH、
これがまたよく出来ているのです。
操作音もツボを押さえていて、タブレットとの相性も良く、子供たちはあっという間に夢中になります。
この写真は、実際にこの組み合わせで、4年生と授業をした光景です。
4年生は、この授業で初めてMESHに触れたにも関わらず、45分後には、自分なりのプログラムを自在に作るところまでいきました。
MESHとは
プログラミングスイッチとは
自分が知る限り、このソニーのMESH用プログラミングスイッチは、内田洋行製のものだけのように思います。
こちらに、例えば、小型扇風機を取り付けたり、または電球を取り付けたりして、学習に活用します。
慣れると準備がとても簡単で、かつ、プログラミングの成果が、実際に、目で見える形、触れられる形で立ち現れてくるので、その辺りも、2次元の世界で完結してしまうビスケットやスクラッチにはない魅力があります。
MESH + プログラミングスイッチ を活用した6年の授業の指導案
では、実際の指導案を見ていきます。
ここは、もう、いわゆる分類Aの鉄板ですね。
1 単元名 発電と電気の利用
2 配当時数 14時間
3 活動時期 2月
4 教材観
本単元では、電気の性質やはたらきについて推測する能力を育てるとともに、それらについての理解を図り、電気はつくったり蓄えたり変換したりできるという見方や考え方をもつことができるようにすることをねらいとしている。
プログラミング教育との関わりでは、身近な生活にプログラミングが活用されていることやそのよさについて学ぶことで、よりよい社会づくりに生かそうとする態度を育てる。具体的にはMESHを教材として、身近な生活の中で幅広くプログラミングが活用させていることに気付かせ、よりよい社会を構築していくためにプログラミング技術を取り入れていくよさを実感させたい。
5 単元の目標
電気はつくり出したり蓄えたりすることができることを知り、その電気を様々な器具に流すことによって、電気は、光、音、熱などに変えることができるという考えをもつことができるようにする。また、身の回りには電気をつくり出したたり蓄えたり、光、音、熱などに変える様々な道具があることを知るとともに、電気の効率的な利用についてとらえるようにする。
6 単元の評価計画
ア 知識・技能 | イ 思考・判断・表現 | ウ主体的に学習に取り組む態度 |
①電気はつくり出したり蓄えたりでき、光や音などに変えることができることを理解している。 ②身の回りには、電気の性質やはたらきを利用した道具があることを理解している。 ③電気を効率的に利用するために、プログラミングによって制御されているものがあることを理解している。 ④コンデンサの働きを調べ、結果を記録している。 | ①乾電池と比べながら、手回し発電機の働きについて推論し、自分の考えを表現している。 ②実験の結果から、手回し発電機のハンドルの回し方によって電流の向きや強さが変わることを考察し、自分の考えを表現している。 ③発光ダイオードは豆電球に比べ、少しの電気で長い間明かりをつけられると考え、自分の考えを表現している。
| ①興味をもって発電を体験し、その電気を利用しようとしている。 ②電気の性質やはたらきを適用して物作りをしたり、日常生活に使われている電気を利用した道具を見直したりしようとしている。 ③効率的な電気の活用の仕方について、プログラミングを介して自分の考えを表現しようとしている。
|
7 単元の指導計画
次 | 時 | 指導計画 | 評価規準 |
単元導入 | 1 | 発電と電気の利用 電気をつくったり、蓄えたり、使ったりして、電気のもつはたらきを調べよう。 | 主・態① |
第1次 | 2・3 | 電気をつくる 手回し発電機は、乾電池と同じようなはたらきをするのだろうか。 実験1 手回し発電機での発電 | 思・判・表① |
4・5 | 光電池には、どんな特徴があるのだろうか。 実験2 光電池での発電 | 知・技① 思・判・表② | |
第2次 | 6・7 | 電気の利用 発電した電気を、蓄えて使うことができるのだろうか。 実験3 コンデンサにたくわえた電気の利用 | 知・技② 思・判・表③ |
8 | 身の回りでは、電気をどのように利用しているだろうか。 資料調べ1 電気の利用のしかた | 知・技③ | |
第3次 | 9〜12 コアカリキュラム | 「プログラミング」を体験しよう 必要なときに明かりをつけるプログラミングを考えてみよう。 | 思・判・表④ |
まとめ~つなげよう | 13 予備 | まとめノート/たしかめよう/活用しよう つなげよう(清掃工場での発電、モーターで発電する乗り物) | 主・態② |
8 プログラミング教育との関連
本単元では主に、プログラミング教育のねらい「知識及び技能=身近な生活でコンピュータが活用されていることや問題の解決には必要な手順があることに気付くこと」について深めることをねらいとしている。同時に実際にコンピュータを活用しながらプログラミングを行うことで、電気を効率よく使うための工夫について試行錯誤しながらプログラミングしていくことを通じて、プログラミング的思考を育むことをねらいとしている。
プログラミング教育コアカリキュラム(配当 4時間)
◎ 目 標
複数のセンサーを活用することで効率的な電気の利用ができる、という見方や考え方をもつことができる。
◎ 展 開
学習活動 | 主な発問(T) 予想される児童の反応(C) | 指導上の留意点 |
■前時までの内容を確認する。 | T 電気はつくり出したり、蓄えたりすることができました。その電気を無駄なく使うため、街灯にはある工夫がされています。どんな工夫でしょう。 C 暗くなったら自動的に点灯する。 T コンピュータに命令するプログラミングという技術で電気を制御=コントロールすることができます。その技術を使って、自動的に電気を点けたり消したりできるのです。では、自動的に電気が点灯、消灯できることで、なぜ電気を無駄なく使うことにつながるのでしょうか。 C 点け忘れ、消し忘れを防ぐから。 C 人が毎日点けたり消したりしなくても済む。
| 昼に明かりが付いていない街灯と、夜に明かりがついている街灯の画像を並べて表示する。
電気を制御することと、効率的に電気を利用することとの関連を明確にする。
電気を制御する技術がなかった時代には、毎日手動で街灯を点けたり消したりしていたことを伝える。 |
■本時の課題を知る。 | 電気を効率的に使う方法を考えよう |
■「暗いときだけ明かりがつく」プログラミングを考える。 | T どんな回路にするか、どんなプログラミングにするか、グループで話し合って作っていきましょう。また、できた班は、できてない班の手伝いをしてあげましょう。
C 「明るさブロック」が必要だ。 C 暗くなったらつく、明るくなったら消えるようにしなくてはダメだろう。 C 暗さの数値は1~3かな。 C すると明るいときの数値は4~10だね。 | グループの1セット、MESH、発光ダイオード(豆電球でもよい)、電池ボックス、IPADを配ります。
「GPIブロック」のプログラム「電源出力」については、あらかじめ、オンとオフの二つをレシピに配列しておく。 |
このときのMESH画面
■「暗いとき、かつ、人が通ったときだけ点くプログラム」を考える。
■まとめをする
■ふり返りをする。 | T それぞれの班でプログラミングができたかな。 では、今度は、もう少し条件を加えて、暗いとき、かつ、人が通ったときだけ点くプログラムを作ってみよう。
C 今度も「明るさブロック」が必要だ。 C 今、作ったプログラムに、人感ブロックを加えればできるのじゃないかな。 C 人を感知したら点き、人がいなくなったら消える。それをこの明るさプログラムに付け加えるんだね。
T それでは、まとめよう。今日の学習でわかったことは、「センサーを組み合わせたプログラミングで、効率的に電気を利用できる」ということだね。 特に「2つ以上のセンサーを組み合わせると、さらに効率化できる、ということだね。
C プログラミングが身近な生活のいたるところで活用されていることを実感しました。 | できた班は、さきほどと同様に、できていない班のお手伝いをするよう促す。 |
いかがでしたか。
実践の参考になれば幸いです。