WEB/STORY「哀しき70’s Kids」ch.10
「夕暮れの河原、僕と真理と、蕪谷だけの、川の音」 二学期になった。 朗報があった。シンプルドリームの学校祭出演に正式許可が下りたのである。これはもう山田正義、坂下真理、染谷美保、という優等生トリオの信頼の賜以外の何ものでもなかった。だから練習にも自然と熱が入った。週一回、日曜の午後、僕達はヤマさんちの納屋で練習した。ドラムはいなかったが、それでも僕達は真剣に練習した。これなら蕪谷に聞かせても文句は […]
「夕暮れの河原、僕と真理と、蕪谷だけの、川の音」 二学期になった。 朗報があった。シンプルドリームの学校祭出演に正式許可が下りたのである。これはもう山田正義、坂下真理、染谷美保、という優等生トリオの信頼の賜以外の何ものでもなかった。だから練習にも自然と熱が入った。週一回、日曜の午後、僕達はヤマさんちの納屋で練習した。ドラムはいなかったが、それでも僕達は真剣に練習した。これなら蕪谷に聞かせても文句は […]
【2020年代目線での】今こそ聴きたいニッポンの大名盤50選〜絶対的名盤10選ー山下達郎「サーカスタウン」 僕の音楽体験は、中学、高校時代、周りにいた先輩のサーファーからの影響がとても大きいです。 特に鴨川で独自に音楽テープを作っていたサーファーDJのヒトのテープを、先輩のサーファーからもらって、「世の中には、こんなに、(テレビで流れている音楽とは)まった […]
WEB/STORY「哀しき70’s Kids」ch.9 それから僕達は何度か蕪谷の蔵で練習をした。 練習するたびにうまくなる手応えを誰もが感じていた。 心をひとつにする喜びも感じていた。 僕達はもう、正真正銘の仲間だった。 ヤマさん。僕。ダースコ。坂下真理。染谷美保。蕪谷樹一郎。 五人のシンプルな夢を目指す仲間。 でも。 突然、大事件が勃発したのだった。 & […]
WEB/STORY「哀しき70’s Kids」ch.8 「バンドが転がり始めた。蕪谷が、オレたちの仲間になったんだ」 夏休みになった。 蕪谷は一度も登校してこなかった。 僕とヤマさんは例の道を調べまわったが、場所を特定することはできなかった。 そして、夏休みになった。 そう。夏休みに。 中学最後の夏休みに。 1975年の夏休みに、なったんだ。 […]
【2020年代目線での】今こそ聴きたいニッポンの大名盤50選〜絶対的名盤10選ー荒井由実「ひこうき雲」 これまで和洋問わず、何千枚もレコードを聴きまくり、またDJの現場感覚から目利きした、 主に1960年代から1980年代にかけて制作されたレコードで、 特に2020年代に聴くべき厳選作品をお届けする、 名付けて、【2020年代目線での】「今こそ聴きたいニッポンの大名盤5 […]
【2020年代目線での】今こそ聴きたいニッポンの大名盤50選〜絶対的名盤10選ーはっぴいえんど「風街ろまん」 これまで和洋問わず、何千枚もレコードを聴きまくり、またDJの現場感覚から目利きした、 主に1960年代から1980年代にかけて制作されたレコードで、 特に2020年代に聴くべき厳選作品をお届けする、 名付けて、【2020年代目線での】「今こそ聴きたいニッポンの大 […]
WEB/STORY「哀しき70’s Kids」ch.7 「1970年の思い出。そしてまたもや染谷からの告白」 『道をなくした者』クンの葉書については、蕪谷の家を訪問した数日後、さっそくヤマさんに報告した。 話を聞き終わったヤマさんは、おごそかに言った 「マー。それは、俺の鋭い勘によるとだ。それは、確かに、蕪谷だ」 & […]
WEB/STORY「哀しき70’s Kids」ch.6 「すごいことが起こった。奇跡のようなこと。そして謎は深まる」 いやあ、暑くなったね、そろそろ梅雨も終りだ。すると夏がやってくる。ボーイズミーツガールズ、新たな出会いのシーズンがやってくるわけだ。 キミの夏も、そんな心踊る熱い夏になるといいね。心優しきDJの僕はいつもスタジオか […]
WEB/STORY「哀しき70’s Kids」ch.5 「そうだった。染谷は英語係だった」 次の日もそのまた次の日も雨だった。 謎の転校生、蕪谷樹一郎は未だ一度も学校に来ていない。 佐島は、ハッハッ、あの野郎、俺のことが怖くて学校に来れねえでやんの、ハッハッ、東京野郎はナヨナヨしててよ、モヤシ以下だわ、 […]
WEB/STORY「哀しき70’s Kids」ch.4 「優等生が幼なじみだと、困るんだ」 家に戻ると母親が、ヤマさんと真理ちゃんから電話があったよ、と告げた。 えっ? と思った。 ヤマさんはともかく坂下真理から電話とはめずらしい。 坂下真理。 幼なじみである。 chaper.3 &nb […]